帰国五ヶ月前にあらためて、安全について考えてみた。
2015年現在、イスラム国に拉致された日本人の解放交渉は、大変悲しく残念な結果に終わってしまいました。
正直なところ、自分は国際関係のプロでもないし、交渉のプロでもありません。
そのため、「どれがベストの選択だったのか」
という考察には、触れることができないし、もちろん触れません。
ただひとつ安全面で言えることは、今回このようなことが起こってしまったことは、
自分達、途上国にいる協力隊員にとって全くの無関係ではないということです。
なので、改めて自分への戒め、そしてそのような状況を「友人」として経験してしまった立場として
周りの人たちにどれほどの影響を与えるのか。
ということを皆さんに知ってもらって、海外に出ている方はもう一度「安全」について考えてもらえればと思います。
ある日、友達が海外で殺害されるということ。
以前にもブログで書かせてもらいましたが、
大丈夫・・・きっと彼女が見守ってくれている。 - In Ghana Blue Sky
自分が学生時代に旅先で知り合った女性が、日本で再会したわずか一ヶ月後に渡航先で殺害されました。
you tubeのニュース速報を仕事休みで偶々観て知ったため
本当に、あまりにも突然で、衝撃的で、その瞬間には事実が、事実と飲み込めず、
なんとなく作られたムービーなんじゃないか、とかフィクションのような感覚に陥ったことを鮮明に覚えています。
もうこの事件が起こってから数年経ちますが、
はっきり言って、
心の傷は完全に癒えることはありません。
やっぱりあれ以来、
「心から笑える」
という頻度は少なくなったような気がしますし、
そのような状況は意外かもしれませんが、
最近になってからますます強くなっています。
考えてみると、
それはもしかしたら協力隊に来て、途上国で暮らすようになったからかもしれません。
たとえ、彼女が亡くなった場所とは違っても、
「あの時、あの選択をしたとき、彼女はどのようなことを考えていたのだろうか」
そう思うことがガーナで日常生活を営んでいる中でもとても多くなりました。
たぶん、これは自分が今までに住んだところと違う場所で、
一人異邦人として現地の人に囲まれることで、より身近な感覚で考えるようになったからだと思います。
(その事件の後は、しっかりと海外に行く機会も無かったので)
自分もガーナに来て以来、少なからず日本で経験しない「怖い」と思うことを偶然、不注意問わず経験しました。
そして、協力隊員は、駐在や旅行で来られている人よりもそのような「怖い」と思うことを経験することが必然的に多くなると思います。
だからこそ、やはり、細心の注意を払って無事に帰らなければいけない。
もっと言うと、最悪のケースである、そのような事件にだけは巻き込まれないようにしなければいけない。
と常に思います。
自分の友達が死んだとき、ふとしたことで某掲示板の書き込みを見てしまいました。
色々な書き込みがありました。
「なにもしらないくせに」
自分が思ったことは、その感想だけでした。
ただ、それにものすごくどす黒く哀しい感情が付随してきました。
今回の事件でも、ネット上、テレビ上で様々な意見が取り上げられていると聞きます。
おそらく、家族の方、友人の方が見たら、
「お前があいつの何を知っているの?」
そんなやり場のない悲しみをますます大きくしてしまっているだろうと思うと本当にやりきれなくなります。
帰国まであと、五ヶ月になりました。
とにかくまず第一に無事に帰りたいです。
それは、自分のためだけじゃなくて、
自分に関わってくれている全ての人のために帰りたいです。
これを見てくださっている皆さん。それは協力隊に限らず。
海外を楽しんでください、そしてギリギリまで安全にだけは気をつけてください。
みんなが笑顔で無事に帰ってもらいたいです。