In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

あげる?? あげない???

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「これを日本に帰る時にくれないか。」

同僚のガーナ人にたまにそう言われる。

「いや、日本帰ってからも使うから。」

でいつも済ましていたけど、たまたま、虫の居所が悪かったので、

「オレが君にあげないといけない理由を説明してくれないか」

と言ってみた。そうすると

「友達だから」

だそうである。

同僚だから半分からかっているということはわかるのでまだいいのだけれど、

これが、中途半端に仲良くなった人に真面目な顔で言われたら困るだろうなぁ、と思う

「いや、日本にはそういう文化はないから。」

で、すませてしまうことはできるだろうけど・・・・

文化の問題は非常に難しい。

これと合わせてよく聞かれる宗教に関してもそう。

「神は信じないのか?ならお前は何をworshipしているんだ。」

「死んだらどうなるんだ」「heavenを信じないのか」

「ならお前はどこから生まれて来たんだ」

個人的には、自分の解答は面倒くさいので常に、

「オレは日本の伝統宗教(神道)を基本的には信仰している」

「天国は信じていない、なぜなら死んだことがないから、でもあればいいなとは思う。」

「君らの宗教(イスラムやキリスト)と違って、日本にはギリシャ神話やそれこそ君らの伝統宗教のようにたくさんの神々がそこら中にいる、先祖も神の一人みたいな感じになる。」

「神話はあるけど、オレは人間は進化論から来たと思っている。ただ、これはオレ個人の意見であって君らが宗教を信仰しているのはもちろんリスペクトしている」

と答えている。(間違ってるところはあるやろうけど)

ただ、これも最近思うことだけれど、よく

物事を説明する時は、幼稚園児でもわかるように説明しろ。

と言われているけど、これが、ガーナにいると、こと当てはまらないなぁということを良く感じる。

そもそも、この幼稚園児でも〜〜という前提条件というのが、

知識がない。

ということだけしかないことが問題で、

幼稚園児は、それ以外の文化的、歴史的、そしてさらに人生経験がほとんどない、

ないし、日本の幼稚園児だと、少なくとも日本の躾に少し染まっているのに対し、

ガーナ人(異国の人)、特にしつこく聞いてくるような人に限って、

文化的、歴史的に、知識的に、自分をすごい、ないし誇りに思っていて、自分と違う宗教観や価値観などをもってる人がおかしい、ないし、異端、あわよくばこっちに取り込んでやろう。

という感じがする。

だから、最初はしっかり説明をしようとしていたが、聞いてもらえなかったので諦めた。という経緯がある。

そもそも、本当に興味がある人なら、ある程度自分で調べたり、違う意見の相手をリスペクトしてくれているはず・・・

あ、書いてて思ったけど、これは日本人でも同じか。

そういう人が経験上多い。

そんなこんなで、これはなかなか解決しない問題やけど、今後も向き合っていきたいと思う。

ただ一つだけ言えるのは、

「くれ」

と言われていい気持ちがしない自分がやはりいる。

ということだ。

多分、それも文化の違い。

モノを恵むことが良しとされる(喜捨)文化と恥とする文化の違い?

難しいなぁ。

と、今日も、タマレの町の真ん中で、物乞いをしてくる人から手を差し出され、考え込む自分がいる。