In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

本を選ぶ基準が少しだけ今は変わっていることを実感したこと。

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日本に帰国してから時間が許す限り足を運ぶようにしているのが、

 

「本屋」。

 

本屋でじっくり一冊をなかなか熟読している時間も今は持てないし、日本へ帰国前にすでに数冊本を買ってしまっていたので、今の結構バタバタしている時間の合間をぬってなんとかそれらを読了しようと必死になっている状態だけど、本屋に来ると、

いろんな人が手招きをしてくれているみたいでワクワクするこの感じが最高です。

 

 ただ、帰国してからやっぱりそんな本達とのつきあいかたも少しだけ変わってきてしまったかなーと、本屋を巡ることで気づいてしまったりもしています。

 

本が多い。

 

日本に帰ってくると、本当に本の多さが、尋常じゃなく「多い」、

 

というより

 

「多すぎて困る」

 

と感じてしまっています。

 

長年の読書の習慣でおそらく今まで、その中から自分が読みたいと思っていたモノを無意識に選びとっていた。

 

それこそ時には、向こうがなんか呼びかけてくれていたかのように感じていたある種の

 

「感覚」

 

を消失しているのか、鈍くなってしまったのか、本の多さに、戸惑ってばかりの自分がいます。

 

だから本棚全てにセンサーを働かせることができず、

 

自分が好んでいた作者の棚を見たり、

 

アマゾンで面白そうだなーと思っていた本の実物を探したり。

 

そんなことしかできない今の状況。

 

情報の海に溺れる。

 

まさに今は、その中で、

 

「知っている作者」

 

という浮き輪に必死でしがみついて、

 

新しい拠り所を探そうと必死なのかもしれません。

 

海外の本を読みたいという気持ちが減った。

 

これまで、自分はたくさんの海外のルポや、旅行記などを読んできたと思います。

もちろん沢木耕太郎の「深夜特急

 

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

 

 

 

小田実の「なんでもみてやろう」

 

何でも見てやろう (講談社文庫)

何でも見てやろう (講談社文庫)

 

 

みたいな本が自分の海外に対するある種の原点であることは間違いなく、それこそ読んでいた当時は、これらの本を読むことで、まだ見ない世界について思いを馳せたり、想像してワクワクしたりと、まさにある種の「物語」を読むような感覚だったのかもしれません。

 

けど、今はなんというか、

 

 

海外の記事を、すすんで読みたいと思う心境になれていません。

 

それはおそらく海外に興味がなくなったわけではなく。

 

実際に自分で見たもの、経験したものを海外に対しては大事にしていきたい。

 

そう2年住んだことで思うようになったからかもしれません。

 

むしろ、今、

 

「本」

 

として読みたいのは、

 

日本の当たり前のような日常を描いた本や小説。

 

海外に出たことで、日本の当たり前のような生活が、本当に新鮮に、そして少しふわふわとした実感のないようなものに感じるようになりました。

 

それこそ「物語」として、今は純粋に昔よりも楽しめたり、新たな発見をできるのではないかなと思っています。

 

とりあえず、大好きな川上弘美のこの作品をアマゾンで注文してしまいました。

 

パスタマシーンの幽霊 (新潮文庫)

パスタマシーンの幽霊 (新潮文庫)

 

 

今ならさらに彼女の少しふわふわとした不思議な世界に深く入っていく為にはいい状況なのかも笑

 

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