In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

今だから思うこと。

 

 

これを書いている2015年11月の時点でパリでテロ行為があり、100人を超える死者が出ました。日々の生活が一瞬で壊されてしまう状況というのは本当に想像に尽くしがたいことで、安易にこんなことを言える身分でもないですが、とにかく本当に被害にあわれた方、並びにその家族の方々には哀悼の意と一日でも早く笑顔が戻ることを祈っています。

 

かくいう自分の住んでいるリーズという街も、一説によるとイスラム過激派の一つの拠点になってるやらなってないやらなので、一応あんまり混みあう時間帯で買い物へ行くことは避けようと心がけています。まぁ、その時はその時というある種の達観も感じざるを得ませんが。

 

今回の件で自分が思っている違和感。

 

初期の段階での動向を見る限りの西欧からの視点、意見がほとんどなのが非常に気にかかっていました。

 

Facebook、ブログなどでも自分のように感じてくれていた人がいてくれ、意見を出していてくれたことが非常に心強く、嬉しかったのですが、今回の件で、自分が日常的にイギリスに来てから感じていた違和感、もやもやがより鮮明になった気がします。

 

 

俺らが世界の基準さ。

 

イギリスで公衆衛生の講義が始まってずっともやもやしていたのは、会話の中に暗に含まれている上記のような”空気”です。

 

・途上国はHealth system が不十分さ。でも、イギリスは苦労はしたけど、これだけPublic health を向上させたんだぜ。

・保険のシステムも問題はもちろんあるけど、こんな万人に医療を提供できている俺らすっごいでしょ。

・俺らが世界のPublic healthを牽引してるのさ!

 

みたいな匂いがぷんぷんします。

 

あえて言おう!プンプン丸であると。

 

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産業革命で環境は悪化したけど、だからPublic Healthを発展させて自分たちで解決した??

 

いやいや。

 

そりゃそうかもだけど、

 

産業革命起こしたから、結果的にcolonizationが世界でより活発になっちゃったでしょうが。

資本主義が苛烈になってだからこそ共産主義が生まれちゃったんでしょうが。

多分public health で救った人と同じか、それ以上に世界は西欧諸国で弊害も受けてるぜよ。

 

と、歴史の裏側というか詳細はよくわかんないにしろそう突っ込みたくなります。

 

こういうのが、自分にとっては

 

「自分たちにとって都合のいい自尊心」

 

であり、

 

「善魔」

 

の典型的な例に思えてしょうがありません。

 

今回の件で自分が辛く思うのは、

 

またイスラム教徒というだけでイスラムに日常的に接しない日本で悪く思われる可能性が出てくること。

 

関わったイスラムの人たちが悪く言われてるような気がして本当にとても辛いです。

 

自分がガーナに立つ前から胸に刻んでいる言葉

 

「善魔」

 

という遠藤周作が造った言葉を、今回の事件で改めて強く問われている気がします。

 

以前にも掲載したのですが、再度以下に抜粋させてください。

 

狐狸庵人生論 (河出文庫)

狐狸庵人生論 (河出文庫)

 

 

 

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感情に突きうごかされて行った愛なり善なりは(正確にいうと自分では愛であり善いことだと思っている行為が)、相手にどういう影響を与えているか考えないことが多い。

 

ひょっとするとこちらの善や愛が相手には非常な重荷になっている場合だって多いのである。向こうにとっては有難迷惑な時だって多いのである。それなのに、当人はそれに気づかず、自分の愛や善の感情におぼれ、眼くらんで自己満足をしているのだ。

 

原因は二つある。ひとつは相手の心情に細かい思いをいたさなかったこと、もうひとつは自己満足のあまりに行き過ぎてしまったことである。

 

いかに正しいこともそれを限界をこえて絶対化すると悪になる。また逆に悪に見えることも限界内では善い部分がある。民主主義は正しい考えかもしれぬ。しかし、それを絶対化しすぎると民主主義ならざる国に原子爆弾を落とすような悪をうむ。

 

自 分がいつも正しい、正義漢だと思っている人というのも、知らず識らずに傲慢という罪を犯していると思います。なぜかというと、自分が正しいという気持ち は、かならず他人を裁こうとします。人を裁こうとする気持ちというのは、自分が裁く相手の心の悲しみとか寂しさとかいうことが、よく分かっていないことな のです。

 

一人よがりの正義漢や独善主義のもつこの暗さと不幸は今日、私たちの周りで、さまざまな形で見つけられる。

 

こうした善魔の特徴は二つある。ひとつは自分以外の世界をみとめないことである。自分以外の人間の悲しみや辛さが分からないことである。

 

もうひとつの特徴は他人を裁くことである。この心理の不潔さは自分にもまた弱さやあやまちがあることに一向に気づかぬ点であろう。自分以外の世界をみとめぬこと、自分の主義にあわぬ者を軽蔑し、裁くというのが現代の善魔たちなのだ。

 

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人間はおそらく本質的には矛盾した生き物でしょう。

 

でも、現在は、昔の人達に比べて論理力も、想像力も格段に上がっているそうです。

 

なぜ人類のIQは上がり続けているのか???人種、性別、老化と知能指数

なぜ人類のIQは上がり続けているのか???人種、性別、老化と知能指数

 

ましてや、今のネット社会。いくらでもその手のニュースや画像、動画は手に入るはずです。 

 

だからこそ

 

一人ひとりがもっと深く考え、

 

コッチ側

 

だけじゃなく

 

アッチ側

 

を考え、一歩一歩でも進んでいくしか無いのかな。

 

と。

 

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もー誰かGN粒子発明して「分かり合う」を実現してくれよ!!!

ガンダムネタですみません)

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まぁ、そんな今の自分にできること

 

それは

 

明日のために

 

ブログ書いてる場合じゃなくて、

 

宿題すること。

 

ですね。

 

ではでは。

 

 

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一応念のためですが、西欧人みんながみんなそうではないと思っています。自分の義理の弟もイギリス人で、彼のことも好きだし、あくまで自分が感じている空気であり、エビデンスもリソースもありません。

ということをこの場を借りて言わせてください。

なんで、「これこれこうだから〜」

 

みたいなのは無しで笑 あくまで今回は自分の不勉強な主観です。