In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

犬を食べる

 


今回の旅行中に、「犬の肉」を食べる機会があったので、実際にどのようなものなのか・・・
ということを「'一応'動物のプロ」である自分が食べた感想ということで、記載します。


ガーナの食文化

まず、はじめにガーナの食文化の中で、犬肉というのは正直そこまでものすごくポピュラーというわけではありません。

圧倒的に鶏肉、山羊、羊の肉、そして牛肉が多いです。 

そして、そこから結構下がって豚。ただ、これはガーナはイスラム教徒がかなり多いためそのような要因も多くあるのではないだろうかと思ってます。

イスラム教があまりいない,かつ、クリスチャンの南部出身の同僚に聞いてみたところ、一番好まれ、単価あたり高いのは、、

山羊、羊 それからついで牛だということです。

では、なぜ犬を食べるのか。

自分が来た当初に語学の先生に聞いた話では、

「ノーザン近辺では、もともとフラフラ族という部族が食べていて、今もそこがメインで、後は食べたい人が好みで食べる」

とのことです。

ただ、地域的には、ノーザンよりさらに北のアッパーイーストのほうがより盛んそうなので、正直この話は話半分で。


実際に食べてみた。

アッパーウエスト旅行の際に、隊員ご用達のスポット(酒飲み場)で、調理をしていたため、迷うことなくトライしました。

調理の仕方は、香辛料をふんだんに入れたスパイシーシチューで三口大の大きさにカットされた肉を煮込む感じ。1ブロック1セディー(約35円)

皿に盛られてやってくると、見た目的にはもちろんですがまったく他の肉と煮込まれているので区別ができません。

ただ、肋骨は確実に小動物のそれであるため、犬の面影は連想できますが。

さて、実際の味のほう。

これは、正直言って

「予想外に美味しい!」

一言です。

香辛料で上手く味付けされているため、臭みもほとんどなく、

はっきりいってガーナの中で食べるなら 山羊、羊、そして牛よりも美味しかったし、大概の日本人には合うんじゃないかな。

ガーナの牛は、日本のような食べるための牛ではないし、日本と比べるとあまり美味しくないというのが本音です。

肉も成羊などに比べると柔らかく、酒のつまみ食べたら日本でも結構気づかずに食べれるかもしれない。


犬は食べてはいけないもの?


おそらく「犬を食べる」と言う行為に対して色々と思うことはあるかもしれない。

嫌悪感を示す人もいるだろう。

でも、なぜ家畜は食べてよくて、犬はダメなのか。

 

そこをもう一度、考えてみて欲しいです。

少なくとも、ガーナでは他の多くの家畜よりも「美味しかった」

ただ、それだけでも少なくともガーナに住む人たちにとっては食べる要素になるんではないでしょうか。

僕は犬が大好きです。犬も飼っていました。

でも、犬肉も大好きになりました。 

矛盾かもしれません。

でも、たとえ矛盾を孕んでも存在し続けること、それが生きることではないでしょうか。

 

 

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

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