獣医師という職業といま その3
さて、そんなこんなでこれで最終回。
なんで、自分が最近獣医を選んでよかったかな~と思えるようになってきたかと今。(現在進行形笑)
命を繋ぐ職業に片足を突っ込んでいる。
もともと日本の獣医療は産業動物を中心に発展してきたそう。
大学でももちろん、小動物と同じくらいに大動物を勉強します。
大動物の多くは当たり前ですが酪農であったり、食肉であることが多いです。
もちろんTPPやらなんやら言われたり、乳製品は今となっては所謂「嗜好品」
なのかもしれません。
でも、そういった一次産業といわれるものにこれだけ関わりながら「医療」を学んでいる。
そういった少し特殊な「医療」だけど「医療」だけじゃない環境って勉強しているときはそんなに思わなかったけど、実はすごく「医療」にとっても大事なんじゃないか。
何より、「生産」に曲がりなりにも携われることができる職業というのは素晴らしいことだな。と最近になって思うようになってきました。
違った視点で人の「医療」にも関与してみたい。
ガーナで自分なりに頑張っていたことに「ごみ問題と衛生」がありました。
フィールド調査団という協力隊の有志で集まった活動に参加・発表もさせてもらっていたのですが、ガーナでは途上国のご多分に漏れず、ごみ問題は深刻です。
青年海外協力隊・フィールド調査団 | アフリカ、アジア、中南米などの青年海外協力隊の有志による、調査の結果や活動内容を発信していきます。
生ごみ等のゴミはもちろん下痢等の症状も起こしますし、プラスチックのゴミ袋は雨季に蚊などを繁殖する。水たまりを作る可能性も出てきます。
なんとかしたいな。
そう思ってた自分が目をつけたのは家畜でした。
毎日のように家畜がゴミを大量に食べて、おそらくそれが一つの死因となっていること。
家畜は「財産」であること。
それを元に住民の「行動や考え方を変えることはできないだろうか」
そう思ったのが「今」自分が「明確に」公衆衛生を学びたいと思った第一歩だったかもしれません。
最終的にこれは結局少し違ったアプローチになりましたが、でもそれでも自分が途上国で作り上げた大きな一つの「0から1」の一つの成果で、すごくやれて良かったと思う一つです。(もう少しできたらよかったと今は少し無念さもありますが)
自分は獣医師だから、家畜とか動物の視点でやっぱり基本的には物事を見る「癖」がついています。
でも、その視点は実は、もしかしたら人の視点では思っても見なかったことになるかもしれない。それをもっと医療に活かせることはできないかな。もっと活かしたい。
それが今の自分の原動力になっています。
残念ながら、実際に人医療と獣医療はまだまだ残念ながら一獣医師である自分が日常的に感じれるほどコネクションや連携は強くは無いと思います(上ではわからないけど)。日本社会では実際のところその1にも書いたように、大学の難易度的にも医師に比べると一歩劣りますし、社会的地位も到底及ばないです。
でもだからこそ挑戦しがいもあるのかな。
と思います。
嬉しい話もあります。
この間のグループディスカッションの時に同級生のナイジェリア人医師に
「そういえば学位はなんなの?」
と聞かれました。
「獣医学」だよ。と言ったら
「え?じゃあお前は獣医師なの?ちっとも知らなかった笑 だからそんなに寄生虫が好きなの?(やかましい)」
と言われ。
「なんで「人の」MPHを勉強してるの?」
と聞かれました。
この質問、すごく良く聞かれます。
「なんで「獣医師」のあなたが「ヒト」のMPHを受けるの?」
自分からすると、「なんで「区別」するの?
と少し「モヤッと」するのですが、前述のなりたかった理由、途上国でいろんな伝染病があること、そしてその70%は「動物」が関わっていること、でも、獣医師と医師の連携はまだまだ強くないこと。
そんなことをぽつりぽつりと説明したら
「それは本当に素晴らしいことだと思う」
「自分(医師)が見た限りでもナイジェリアでもやっぱり連携は必要なのに全然無いんだよ。動物だって結核はあるのにね(彼は結核をメインにやっているので)」
と賛同してくれました。
これはすごく嬉しかったです。
正直、あんまり周りに似たような境遇の人がいないから、先が見えない分怖いことも多いのが本音です。
でも、
怖かったら怖いほどそこに飛び込むんだ
危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ
自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)
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という岡本太郎さんの言葉や
恐れるな。信じろ。自分の中の可能性を。信じて力を尽くせば、道は自ずと拓ける。為すべきと思ったことを、為せ
というガンダムUCのセリフ。(どうでもいいけど、おっさんがかっこ良すぎる。)
人間いつ死ぬか分からないから 、
その時の全てを出し切りたいんだ。
というエガちゃん笑 のセリフに今日も心を押されながら勉強を頑張りたいです。
最後になりますが、自分が言っていることをまさに言ってくれたTEDがありました。
本当に奮い立たされ、またこのような環境が本当に来れるように自分も頑張りたいなと改めて思った動画でした。