In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

任国外旅行による一時帰国について ~一年日本を完全に離れて見えてきたもの~

 

 

ブログの履歴を見てもらえればわかるように、実は5月の末日から実に五ヶ月、ブログを更新していなかった。

 

この期間中は、もちろん書くことが無かった・・・というわけではなく、少し自分の個人的な用事がたくさんあり、集中したかった為、書く余裕が無かった・・・というのが、正しいです。

 

そのため、今後少しずつ、記憶を遡りつつ、この空白の期間で、特に大事だと思うことを書いていきたいと思う。

 

今回は、その第一弾。

 

実は、一年次報告会の後に、任国外旅行で、日本に2週間ほど、一時帰国をしていた。

 

協力隊には、任国外旅行という制度があり、派遣国以外にも旅行ができる。

 

旅行ができる国は、自分が派遣された国によって個々に指定されている。

 

そして、

 

なんと、

 

ガーナはイギリスと、日本のみ。(2014年現在)

 

本当は、ブルキナファソもあったのだが、エボラ出血熱、および、ブルキナのクーデターにより、現在渡航が禁止されている。

 

それにしても、ブルキナがあったとしても、この任国外可能国は他国に比べて圧倒的に少ない・・・・この制度の不均等さはなんなのだろうか。

 

自分も個人的に、せっかくアフリカまで来たんだからとてもキリマンジャロに登りたかった・・・・

 

とにかく、その任国外を利用して、日本に帰った。

 

そのときの感想。

 

幸せの閾値

 

まず、「あぁ、本当に僕は、幸せだなぁ。」 と思うことが、日本にいるときに比べて格段に下がっていた。

 

その最たるものが、

 

止まらない、電気。
お湯で満ち満ちているバスタブ
キレイなトイレ。(つまりは止まらない水)

 

である。

 

本当に、原子力発電がどうたらこうたら言われているが、全ての主要インフラが全く止まらないってすごいなぁ。

 

と感動した。

 

100円のおにぎり。

 

ついでにいうと、コンビニのおにぎりが異次元の美味しさだった。

海苔がぱりぱりだった。ご飯が美味しかった。 店員さんが、「温めますか?」と聞いてくれた。

 

その全てのクオリティが完璧すぎて、なんとも、言葉にできない感じだった。

 

そのために感じる違和感。

 

でも、逆に感じる違和感もまた生まれてきたのは事実だ。

 

・トイレの「流す」ボタンはこちらです。 のシール
・「(1cmほどの)段差があるのでご注意ください」の張り紙。
・「2分ほど予定のダイヤより遅れています」の電車内の放送。

 

なんだこれは。

 

ここまで、「完璧」じゃないと日本人は生きていけなくなってしまっているのだろうか。

 

日本にいたら、「当たり前」に思っていた光景。

 

それは、ガーナにいたらちっとも「当たり前」ではなかった。

 

もう少しくらい、適当になったら?

 

電車の中で、ものすごく不機嫌そうに座っている、疲れきって死にそうな顔をしているサラリーマンの人を見るとそう言いたくなってくる。

 

ガーナ人に、

 

君達は、日本に来たいというけれど、日本は毎年3万人も自殺するような国だけど、そんな国に来たいの?

 

と聞いたことがある。

 

でも、結局彼らは、「???」という感じ。3万人が自殺するという感覚がそもそも理解できなかったようだ。

 

もちろん自分達はガーナ人じゃない。

 

でも、

 

ガーナ人のとりあえず、単純に「楽しみ」、「笑っていられる」その感覚。

 

そこらへんは見習わないといけないなぁ。と

 

強く感じる。

 

日本という国は、ガーナ人から見たら、

 

ほしい「物」が、なんでも揃っている「ユートピア」なのか

 

それとも

 

圧倒的なほどに管理された「ディストピア

 

なのだろうか。

 

 

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