In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

一人旅 part2~僕が一人旅を行う、その意味は~。

 

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ストライキが続いています。

 

当初、水曜日に始まったストライキは、次週の火曜日の会議を持って終わると考えていたのですが、

今回は「そうはいかんざき」とばかりに、ストは続行。

 

隊員によっては、二週間と聞いている人もいて、さすがに家でずっと読書はもったいない。

と思い、急遽一人旅にまた出かけることを決めました。

 

行き先は、UW(アッパーウエスト)

 

思えば、学生の頃から一人旅ばかりしてきました。

ここ数週間は、久しぶりに全ての行程を一人で移動し、一日の大半を一人で過ごしました。

 

もちろん、お金はないので、宿泊は、隊員の家になります。

けれど、このような一人移動、一人旅を通して、本当にたくさんのことを思い返し、新しい発見がありました。

 

当たり前だけど、その任地に、見知った顔がいること。

 

以前にも少し書きましたが、ガーナで普段任地近辺にいる隊員と会うこと以外は、多くの、首都の隊員連絡所になります。

頭では、もちろんそれぞれの隊員がいろんな任地から来ている。ということはわかっています。

ただ、それを実際にトロトロを乗り継ぎ、自分がガーナの中でも全く経験したことの無いその土地で

 

「当たり前のように」生活をしている隊員がいること。

 

それは、想像以上に、何ともいえない「ある種の感動」を自分にもたらしてくれます。

 

こんなところに日本人

 

は本当に、さすがプロの考えたタイトルだなぁ。とガーナに住んでいる自分でさえ思え、そしてそれはまた、他人から見た自分の姿でもあると思え、それが自分の励みになります。

 

当たり前の生活を改めて振り返ってみること。

 

自分の知った道じゃないところを通るトロトロ、そして、それを待っているステーション。

 

そういう普段とは違う環境は、色々な振り返りや、気づきを自分にくれます(それは言い換えると、そこが日常になってしまっているということですが)

 

 

アッパーウエストの州都で、トロトロを待っている間、自分の10mくらい前でパンを売っている女性がいました。

 

彼女は、子供の世話をしながら炎天下で黙々と、パンをビニールに詰めていました。

 

その姿が、なぜかとても自分の心を深く打ちました。

 

色々なバックグラウンドがあって、彼女はおそらくその仕事について、もしかしたらそれを当然のこととして受け止めていたり、ひょっとしたら、典型的ガーナ人で、「ならお金を持っている、あなたが援助してくれればいいんじゃないの?」とか思われているのかもしれません。

 

でも、少し考えれば、このような光景はおそらく少し前の日本でも当たり前のことであって

美輪明宏さんのヨイトマケの唄でもそのような描写がでてくるように)

今の日本もきっとそのような人たちの支えがあったからここまでの国になれたのでしょう。

 

そして、そのようなことを、今の日本社会は少しずつ忘れてきているのではないでしょうか。

 

いや、もしかすると、今は、もっと歪な状況なのかもしれない。

 

震災などを通して人との繫がりをもっともちたい・・・

 

願う一方。

 

個人保護、自分が一番大切だ。触らぬ他人に祟りなし

 

という風潮。

 

これから日本がどこへ向かうのかはわかりません。

 

でも、そのような黙々と働く女性

 

そして、トロトロで知り合いでもない人と楽しそうに喋るガーナ人を見ていると、

 

そういう、彼らが「当たりまえ」だと思っていること

 

が、日本人である、自分にとっていかに

 

貴重なことなのか

 

ということを見せつけてくれます。

 

だから、僕は、そんなたくさんの気づきをくれる旅が止められない。

 

 

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