In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

当たり前があたりまえじゃない。

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ファイアーフェスティバル以降、ここ数日、配線系統のトラブルか何かはわからないけど、自分の任地周辺だけ、長時間の停電が頻発しています。

数時間停電して、30分くらい復旧して、また数時間停電の繰り返し。

日中だと明るいからまだしも、夜になると回りは真っ暗、かつファンも使えないから蒸し暑い・・・

とうとうこの間は、夕方の5時くらいから次の日の正午過ぎまで実に20時間以上停電。

この日は、昼間に、近郊の町タマレに先輩隊員とご飯を食べに出ていて、晩飯にとフライドライスを持ち帰ったにもかかわらず、お腹いっぱいでその日に食べれないという腹具合だったから、冷蔵庫が使えず保存ができないこの環境は本当に困りました。結局、常温で放置して、作ってから約12時間後の次の日の朝にもったいないから食べたけど、一歩間違えたら食中毒の可能性大・・・。冷えたチャーハン12時間放置か・・・セレウス菌だったかなぁ・・・とか国試を思い出しながら、どきどきで食べました。幸い、なんともなかったけど。

夜もかなり蒸し暑いけど、セキュリティの関係上、夜にガーナ人みたいに外で寝る・・・ということもかなわず、蒸し暑い暗闇の中、パンツ一丁で寝てても、汗ぐっしょりという状況で寝るのは、真っ暗闇に一人でいるという精神衛生上かつ体力上もあまりよくないらしく、この週末は休んだにもかかわらず、あんまり疲れが取れきっていない感じです。頭がなんとなく働かずやる気がでない。

ありゃー停電か・・・やれやれ。

最近は、そう思うようになってきましたが、やはり日本の生活を思い返してみると、つくづく不便なんだろうなぁ。と思います。

停電なんて、おそらく大多数の日本人は台風などで、いいとこ数時間くらいの経験しかないんじゃないだろうか。電気はついて当たり前。水は出て当たり前。

 

でも、ガーナにいると、それがいかにすごいのかというのが、よくわかります。

停電をしていると、常に食品の保存に気をかけ(下手すると怖くて買えない)、携帯、パソコンのバッテリーを常に気にしないといけない自分がいまさらながらにいることが良くわかりました。

そして、ガーナに来て、夜はこんなにも、暗く、星はこんなにも輝いている。ということを改めて思い出させてもらうことができた気がします。

この環境で、火とは如何に大事なものなのか、ファイアーフェスティバルの由来となった子供を捜すための松明。その火に感謝する姿勢がなんとなく理解できた気がします。

高度経済成長の時代、電力を維持する為に原子力を使いだした日本、それをよくない!という人たちは、では、このような、20時間停電が頻発するような環境に、今の日本の便利さを捨てて身をおくことができるのだろうか。これが、たとえば、電力会社の電気系統のトラブルです。一週間くらいなんで我慢してくださいといわれたら、あぁ、そうなの、ならしょーがないか。ですむだろうか。おそらく、その電気会社にものすごい抗議、非難が殺到するだろう。

僕も、自分が今20代、30代というこの一番動ける年齢だったら、正直、協力隊など期間が限定されていなければ、とてもキツイだろうなぁ・・・というのが正直なところだと思う。冷えたビールも飲めない。生モノも食べれない。ネットもできない。下手をすると、本さえ読めないから、仕事すらできないかもしれない。それならそれでいいじゃん。何もできないなら寝るか、誰かと喋ってれば。というガーナ人を羨ましいと思いつつ、それができない自分がいる。そういう自分がいるということを発見できたこともとても大きな気づきだと思う。

この記事を書いている今も、今夜また停電にならないかとひやひや。

そんなガーナの乾季の初め。