In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

最近の活動報告。失敗をするためにここにいること。

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気がつけば、10月に入って、ガーナに来てから3ヶ月が経ちました。

色々と思っていたようにできないこと、できていることも溜まって来たので、ここら辺で現時点での自分の立ち位置を振り返っておこうと思います。

というか、こういう心境にさせてくれるのは、ネットが遅いながらも通じて、同期の隊員の活動内容がブログを通してみれるから。本当にいつもみんなから刺激とやる気をもらえていて、一人だったらこうはいかなかいだろうなぁ・・・としみじみ思う。みんなありがとう。

業務に関して。

以前も書いたが、正直なところ今、自分が活動を何かここの人たちに代わってできるのか?というと難しいと思う。 英語ができない。熱帯獣医学の知識がない。家畜は経験があまりない。ないないづくしなので。このあたりは意識を変えて、このタームは受講生レベルに徹しようと思う。ひたすら医学英語とこの地域でよく見られる疾患をこの半年で叩き込もうと。

英語に関しては、ホストファザーに将来的にTOEFLも受けたいと相談したところ、Senior high schoolの先生を紹介してくれ、週末以外ほぼ毎日一時間くらい、宿題でエッセイを書かせて、文章の添削等をしてくれている。 しかも、授業料は、「ホストファザーは兄弟みたいなものだからタダで良いです。何かあったらその時に少しだけ謝礼みたいな感じでもらうかもだけど」とのことです。まだまだ手探りの授業やけど、ありがたいです。

ところで、業務をしていて思ったのは、働く人の記録形式がずさんなこと。

これは、つい先日、ちょうどJICAから会計専門の方が来られておっしゃっていたことだが、まだまだガーナは国家レベルでデータ化がしっかりしていない。未だに台帳が基本。

ここでもご多分にも漏れず、記録したことは全て台帳。しかも、記録情報が本当にあいまい。その結果でそれを死因と断定しちゃっていいの?みたいな。

ボスが指導しない時の死後解剖は、本当にぱぱっとみて、貧血だねぇ、腸炎だねぇ・・・寄生虫がいるねぇ・・・など。

その後に発展していかない。

そもそも、既往歴は?外観は?BCSは?とか記録しなさい。

腸炎や貧血、うっ血肝はじゃあなにから来ているのか?考えられる可能性は?といつも思う。

貧血だって、寄生虫性なのか、それとも、他の因子があるのか。Post mortem という死後解剖では、病理解剖や遺伝子検査ほど厳密に検査できないから結局断定はできないにしろ、可能性はあげなければいけないと思う。

ボスがいると、ボスは部下に「これはなんだ?、どうしてこうなる?」と聞きまくるので、それが良い勉強になるのかもしれないが、それはむしろ当たり前のこと(だと自分は思っていた)ので。そして、ボスがいない間にしたことを後からボスに聞かれてまったくわかっていなかったことに正直ビックリしました。見つけた寄生虫で考えられる種類とかくらい言えるようになっていてよ・・・と。

あと、せっかく生きている状態で連れて来て、それをと殺して調べるのだから、生きている間にわかる体温など基本的なこと調べようよ・・・と。触ったら冷たいんだから体温維持できてないでしょう。その原因は?と。

ということで、まず、自分ができることとして、Excelを利用して、詳細な電子記録表を作ろうと思いました。幸い、パソコンだけは、しっかりしたものがあるので同僚に順番に記録していってもらい、可能なら症例検討をまず少人数で初めて行こうと思います。

今日このことをホストファザーとボスに話したら、とりあえず作成したものを見てから考える・・・ということなので、この一週間くらいを使ってしっかりしたものを作ってみようと思います。

あと、活動外で、以前にも書いた市場調査を開始しました。

テーマは、「ゴミ削減に対するアプローチとして、家畜の異物接種による死亡事例の意識調査」

という感じです。

自分が死後解剖して異物摂取があまりにも多いこと。ゴミが散乱しまくっている現状。

ちょうどこの現状に疑問を持っていた時に、ザンビアで活動されている獣医隊員の人が、校内で同じ問題を取り扱い、校内清掃に成功していたのを見て、自分は、せっかく来て間もなく、時間があるから、もう少し獣医という専門家ではない一般の人の意識を調査したいと思うようになりました。

色々と同僚等に情報を聞いたりすると、そういうことを政府は宣伝している、という話もあり、実際にテレビなどでも放送しているらしいのですが、実際に聞き始めると、そういう事例で死ぬという事実を知らない人もちらほらいるし、ゴミ捨てても土かけたらええやん。みたいな意見もあったりで、正直数人に聞いただけでもみんなの意見がバラバラです。

ただ、聞いていて共通しているのは、家畜が死ぬことは、家計的にマイナスで、すごくシビアな問題と言うこと。

なので、これをもう少し統計として集めれば、ワークショップや、もっと言えば、家畜が多くいる環境なら、なんらかのゴミ削減政策のモデルにできるのではないか・・・と思っています。獣医の視点からしか見えない衛生に関すること、きっとあると思って。

ホストファザーをはじめ、同僚のガーナ人にも、「そういうのを調べてる人はいないから面白いし、意義のあることだと思うよ」とアンケートの英語添削や、近隣の聞き回りにも協力してくれてます。

色々動き出して来た。

協力隊を受ける前に、協力隊OBの人に言われた言葉。

失敗をたくさんしてください。

を胸に。失敗を恐れず、楽しもう。