In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

補足、 二年という期間について。

昨日は、話した勢いでそのまま書いてしまって、朝ベッドで飛び起きて、「これ、書かんとあかんな〜」と思った印象に残ったことがあったので、補足として。

仕事という面で、あぁ、すごいなぁ。というある種の羨望感を持ったのは、彼女の、二年という派遣期間への考え方。

「2年間って言うと、ちょうど、子牛が生まれて、14〜5ヶ月の種付けができる期間になって、子供が生まれる頃、正直、私は、一番最初の乳が出る大切な時期に立ち会うことがおそらくできない・・・。だから、ホントに何かの案を軌道に乗せれるかどうか、くらいしかできないんだろうなぁ・・・と考えてしまうんですよねぇ・・・」

という何気ない言葉は、彼女の大動物で、働いてきた4年間に裏付けされたまさに「経験」からくる言葉だと思った。

そして、自分の経験、感覚ではやはり、そのような長いスパンで物事を見れていないということを実感。

どうしても、小動物臨床は、基本的には、病気になった動物を治す、ないし、予防。という短いスパンのものが、もうほとんどだ。

もちろん、腫瘍や、慢性疾患をある程度の長期間で見ることもあるけど、基本的に動物の腫瘍は、基本的に見つかった時点で結構重くなっていて、数年持つことの方がやはり少ない。

慢性疾患も、然りで、小康状態を保ったり、波があったりとの繰り返しで、それを何かの一環の流れとして認識することは、毎日の仕事の中では、正直実感しづらかった。

でも、大動物の場合は、診療に加えて、さらに、繁殖というものがある。

以前にも書いたように、産業動物(乳牛)は、いかに経済的に乳を出すか、ということがやはり重要だ。

ただ、治して終了ではなく、その後の乳の量や、種付けなどにも細かく気を配って行かなければ行けない。

毎日繁殖健診で、妊娠の有無なんかを見続けていると、本当にその辺りのことに直面する。

自分も、「牛の妊娠期間は280日くらいで、初回の種付けは14ヶ月齢くらい。」ということは知識としては知っていたけど、このような感覚が、身体に染み込んでいる、かどうか、は、少なくとも、二年間という限られた期間で何かをしなければいけないという活動で、すごく大きな差のように感じてしまった。

まぁ、もちろん、小動物には、小動物のいい所もあるので、引け目ばかり感じてはいけないんですが。

ただ、そういう二年という長期的なスパンで物事を見るというクセ。

「未来予想図」

というものを漠然とでも思い描いておかないとな。

と思った次第です。