In Blue Skies

とある獣医の青年海外協力隊日記からのイギリス大学院留学

左手は添えましょう

研修も二週目がまもなく終わりそうです。

今週も色々な症例に出会えて、結構国家試験で出てくるような、第四胃変位、乳房炎、乳熱、蹄葉炎などのメジャーどころは一通り見ることができたように思います。

蹄葉炎の牛。診察後。

写真 1典型的な産後直後の乳熱による起立不能

写真 4

フリーストール牛舎(自由に動ける場所+寝床の牛舎)で滑って転倒して起立不能

写真 3

10日ほどですが、感じることとしては、牛の診察の診断は掛け金というシステムや経済動物ということもあるかもしれないですが、決断が結構早い!!

少し怪しかったら次の日の経過を見てダメなら手術!ということも珍しくなかったです。(小動物ならよほど緊急じゃなければもう少し経過見たりすることもあったので)

けど実際に、一日様子見てたら盲腸が拡張して、捻転起こすまでいってた症例もいました、同じような草食動物だとウサギの毛球症も消化管の動きが鈍くなって詰まることありますが、ここまで劇的なのはあんんまり経験がなかったです。

四変の手術は、わずか10日にして既に3回も見させてもらいました!割といいペースなのではないでしょうか?笑

自分の技術的な面ですが、意外と牛の血管への針の挿入に手こずっています。

未だ7割くらい・・・。

牛の場合はNOSAIにもよるのでしょうけど、輸液などは頚静脈からおこなうのが一般的です。

小動物臨床の時も、自分の動物病院では血液検査などに必要な量の場合は基本的には頚から採っていたので、最初は牛なんて犬や、ましてや猫みたいに血管が細くないし、でかいし簡単やろ〜〜!!って思ってたんですが・・・

意外と難しい!

というのも、まず牛の場合は動き方が半端じゃない。鼻先をロープで柱に括り付けて固定するんですが、

針を刺す瞬間に牛のくせに結構クネクネ痛がって動きます。

あと、表皮が厚い分、刺した感触が非常にわかりにくい・・・犬や猫だと表皮が薄いので、血管壁を刺した感触とかもよくわかったんですが、牛は表皮に邪魔されるのと針がかなり太いのもあって今のところあんまりよくわかりません・・・・・

今日もなかなか手こずってたら指導していただいてる先生に。

「駆血してる左手に針の根元を沿わすように固定した方がいいよ〜、あと角度もう少しつけた方がいいよ〜」

といってもらいました。

先生曰く、固定してないから侵入するときにブレて血管が逃げてしまっているとのこと。

正直まだまだ、小動物での採血の仕方のクセが抜けてません・・・そして、採血できなかった頃の一年目のあの嫌な記憶が少し蘇って凹んでしまったりしています・・・・はぁ。

早くこれくらい慣れないと・・・・